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【解決事例報告】筆界未確定土地の取得時効事例(不動産関連法務)

新久総合法律事務所からの解決事例報告です。
当事務所は,①中小企業法務(顧問業務)②相続関連法務(事業承継・民事信託等)③不動産関連法務④会社清算・再生等の破産法務の4分野に注力して業務に従事しております。
そのため,各分野について,解決事例が毎月蓄積されています。
そこで,上記各分野のうち,よくある紛争事例やマニアックな紛争事例等について,解決事例報告をできればと考えています。
今回は,不動産関連法務分野として,筆界未確定土地の時効取得事例についてご説明致します。

【事案の概要】
本件は,不動産オーナー様からのご依頼案件で,同オーナー様が所有する土地の一つに筆界が未確定であり,かつ,土地の一部(狭小土地)について所有権の争いが生じているため,①筆界の確定手続及び②土地所有権を確定的に帰属させたい,とのご相談がありました。
そこで,当事務所にて受任し,上記①②の対応にあたりました。

【解決内容】
①については,筆界特定制度の申立てを行い,過去の公図や筆界未確定土地の所有者(被相続人も含む)同士間で交わされた合意等に基づいて筆界を確定させました。
もっとも,筆界と所有権界は必ずしも(自動的に)一致するものではないため,確定された筆界と所有権界を一致させる必要がありました。
本事案を検討すると,所有権の帰属が問題となっている狭小土地について,ご依頼者様に時効取得の要件が揃っている可能性が高いことが判明しました。
そこで,複数の隣地所有者との間で,交渉を実施し,当方のご依頼者様に取得時効の要件がそろっていること,交渉が決裂し裁判手続に移行した場合には(被告側に)訴訟費用等の負担が必要になること等,全体的な利益関係を説明し,結果として円満合意にてご依頼者様に狭小土地の所有権が帰属することとなりました。その後,分筆登記を実施し,筆界及び所有権界を一致させました。

【ポイント】
・筆界の未確定は,当該不動産の資産価値にも影響を及ぼす重要な問題です。そのため,筆界特定制度を利用し筆界を確定させたうえで,その後の所有権界についての対応が必要となります。
・今回は,取得時効について幸い解決金の支払い無しでの解決となりましたが,解決金の議論が生じた際には,①路線価や公示価格,固定資産評価額をベースとした解決金額の算定や②近隣地の標準的な賃貸料をベースとした解決金の提示等,解決金額の算出にも様々なバリエーションがあります。
・本件のように筆界確定も絡む法律問題は,ややマニアックな類型の事例になりますので,不動産法務を中心に取り扱っている弁護士に相談されることをおすすめします。

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