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平成29年1月1日施行!育児・介護休業法の改正のポイント(前編)

弁護士の佐藤です。

当事務所のコラム「Think Time!」の第2回は、平成29年1月1日から施行される、育児・介護休業法の改正のポイントの前編をお届けします。
既にご存知の方も再確認されることをおすすめします。

1 法改正の背景
育児・介護休業法の改正は、平成28年3月、6月、11月に成立し、平成29年1月1日から施行される予定です。
今回の法改正は、以下のテーマに従って行われました。

① 妊娠・出産・育児期や家族の介護が必要な時期に、男女ともに離職することなく働き続けることができるよう、仕事と家庭が両立できる社会の実現を目指す。
② 介護が必要な家族を抱える労働者が介護サービス等を十分に活用できるようにするため、介護休業や柔軟な働き方の制度を様々に組み合わせて対応できるような制度の構築が必要。
③ 非正規雇用労働者の育児休業の取得促進や妊娠・出産・育児休業等を理由とする不利益取扱い等の防止を図ることが必要。

2 介護休業法の改正

介護休業とは、労働者(日々雇用される方を除きます。)が、要介護状態の対象家族を介護するための休業をいいます。

※ 要介護状態
⇒負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態

ポイント①:介護休業の分割取得
法改正により、介護を必要とする家族(対象家族)1人につき通算93日まで、3回を上限として、介護休業を分割して取得可能になりました。

ポイント②:介護休暇の取得単位の柔軟化
法改正により、介護休暇について、半日(所定労働時間の2分の1)単位での取得が可能になりました。

ポイント③:介護のための所定労働時間短縮措置等
法改正により、介護のための所定労働時間の短縮措置(選択的措置義務)について、介護休業とは別に、利用開始から3年の間で2回以上の利用が可能になりました。

※ 介護のための所定労働時間の短縮措置(選択的措置義務)
⇒事業主は要介護状態にある対象家族の介護をする労働者に関して、対象家族1人につき、以下のうちいずれかの措置を選択して講じなければならないというもの。
① 所定労働時間の短縮措置
② フレックスタイム制度
③ 士業・終業時刻の繰上げ・繰下げ
④ 労働者が利用する介護サービス費用の助成その他これに準じる制度

ポイント④:介護のための所定外労働時間の制限(残業の免除)
法改正により、介護のための所定外労働の制限(残業免除)について、対象家族1人につき、介護終了まで利用できるものが新設されました。

3 その他の改正について
その他の改正のポイントについては、第3回「平成29年1月1日施行!育児・介護休業法の改正のポイント(後編)」にて紹介します。

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